第1回マダガスカル共和国 マダガスカル旅行記~両生爬虫類を調査する旅~
偶然の発見、ネロサラマンダーヤモリ
また、マダガスカルではもう一つ、大きな発見がありました。それは南部降雨林地帯で、ネロサラマンダーヤモリという非常に珍しいヤモリに出会えたことです。過去の発見例は10個体未満とも言われている希少種です。もっとも、本種を探そうとしていたのではなく、別の生き物を探すために腐葉土を掘っていたら、偶然見つかったのです。発見場所も過去に記録のある場所とは異なっていたため、見つけた瞬間はこのヤモリが何者なのか、わかりませんでした。
ネロサラマンダーヤモリは、灰白色の地色に黒い横帯模様が入り、まさにサラマンダー(サンショウウオ)のような姿をしています。動きは素早く、もう少し発見が遅れていたら、腐葉土の中に潜り込んでいたでしょう。このような偶然が、自然の中にいると時々あります。そしてその感動が忘れられないから、私たちは旅を続けるのです。
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ネロサラマンダーヤモリ。大きな頭部をしている
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ネロサラマンダーヤモリ。10cmほどの小型種
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バクチヤモリ。このヤモリは強く掴むと皮膚がずるりと剥けてしまう
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ギガンテウスヘラオヤモリ。北端部に分布する大型のヤモリ
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マダガスカルヒルヤモリ。昼行性のヤモリで、各地に普通に見られる
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ボウウィンネコツメヤモリ。全長30cmと大きな種類だが、北部の個体群はより大きくなるという。