第1回マダガスカル共和国 マダガスカル旅行記~両生爬虫類を調査する旅~
目的
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近年、マダガスカルより美しく興味深い両生爬虫類が多数輸入されています。しかし、野生下での彼らの情報は多くありません。また、中にはほとんど記録の無い「幻」と呼ばれる種類も少なくありません。彼らを私たち自身で発見し、彼らがどんな環境で暮らしているのかを調査するのが今回の紀行の目的です。
マダガスカル島について
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マダガスカルは正式名称をマダガスカル共和国。東アフリカの東南にモザンビーク湾を挟んで、約400km離れたインド洋上に存在する、世界第4位の大きさを誇るマダガスカル島を主体としており、人口は1700万人。地質は先カンブリア期に形成された花崗岩が土台となっています。 島の形成に関しては諸説ありますが、元はゴンドワナ大陸(過去に存在したとされる超大陸。現在のアフリカ大陸、オーストラリア大陸、南アメリカ大陸を含んでいたとされる)の一部であり、大陸移動の影響により、約800万年前に分離したとする説が有力です。 すなわち、マダガスカル島はジュラ紀中期から後期にアフリカ大陸から分離し、独自の生態系を築いてきたと考えられており、その特異性、貴重性より「神秘の島」とも呼ばれています。
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土産屋さんに並ぶ多くの化石や宝石は特産物の一つ
マダガスカル島の気候
マダガスカル島の気候は熱帯に属していますが、その環境は地域によって様々です。島の東部は熱帯降雨林であり、中央は標高1000mを超える高地、西部は乾燥林、南部には半砂漠地帯も広がっています。
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マダガスカル島中央部。標高1000mを超えている
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マダガスカル島北西部の森林
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マダガスカル南東部の熱帯降雨林
マダガスカル島の動物相
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哺乳類、鳥類のみでなく、両生爬虫類も独自の進化を遂げたものが多い。画像はマダガスカル固有のヘサキリクガメ。最も特異なリクガメの一つであると同時に、最も絶滅の危険が高い種類とも言われている
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マダガスカルの動物は、独自の進化を遂げた特殊なものが少なくありません。アフリカ大陸から少ししか離れていないのに、ゾウやキリン、ライオンといったお馴染みの種類は分布していません。マダガスカルに現存する10000種以上の動植物のうち、80%が固有種です。中でも両生爬虫類は特に種類数が多い事で知られており、実に615種もいます。これは日本の2.6倍(149種)、対岸にあるアフリカのケニアに比べても1.7倍(347種)であり、近年も次々と新種が見つかっています。もちろん鳥類や哺乳類、昆虫類も他の地域には見られないものがたくさん分布しています。 両生爬虫類愛好家だけでなく、動物好きならば、一度は訪れてみたいと願う場所なのです。