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KAMIHATA世界紀行

第2回ボルネオ島 ボルネオ島旅行記~幻のミミナシオオトカゲを求めて~

ミミナシオオトカゲ、その実態に迫る-動き-

 ミミナシオオトカゲは捕獲された時、まるで抵抗しませんでした。そして数十秒後に、四肢を伸ばして体の側面に張り付けるように固定し、肋骨を広げて胴部を平たくして(膨らませるわけではなく、横に広げる)、僅かに弓なりに反りかえらせました。偽死のようにも見えますが、おそらくこれがミミナシオオトカゲの威嚇、もしくはストレスサインなのでしょう。イボイモリのそれとよく似ています。その後、ほとんど動きらしい動きは見せませんでしたが、地面に置いて約6分待つと、ゆっくりと四肢を元の位置に戻し、いきなり体を大きくねらせて動き出しました…が、その移動も一般的なトカゲの動きに比べると、実に緩慢でした。
翌日、近くの渓流で泳がせてみたところ、陸上とは一変して機敏な動きを見せました。どうやら水中で留まる事もできるようです。ミミナシオオトカゲの持つ透明の瞼は、水中での活動時間が長い事を示しているのかもしれません。
尾は力強く、私の腕に絡ませて自分の体を持ち上げる事が出来ました。尻尾の先端を掴んでみても、自切するような素振りは見せません。この力強い尾は、泳ぐときの推進力を得るため、そして水中で体を固定するため(枝や岩を尾で掴んで)にあるのではないかと思われます。

  • 体を左右に膨らませる

    体を左右に膨らませる

  • 瞼を閉じたまま動き回るミミナシオオトカゲ

    瞼を閉じたまま動き回るミミナシオオトカゲ。あまり視力には頼っていないように見える

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  • 尾を巻きつけてぶら下がることが出来る

    尾を巻きつけてぶら下がることが出来る

  • 体を硬くし、四肢を胴部に貼り付けている

    体を硬くし、四肢を胴部に貼り付けている

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ミミナシオオトカゲ、その実態に迫る-毒性と性質-

ミミナシオオトカゲには毒腺が無いという報告が存在しますが、『実は毒を持っているのではないか?』という噂は、一部の動物愛好家の間には昔からありました。その理由として、このトカゲの外見がドクトカゲに似ていること、そして歯にドクトカゲに類似した溝があること、そして近年、今まで無毒と思われていた多くのトカゲ類で、毒性が見つかり始めていることが挙げられます(そのほとんどが有毒ではありますが、人間には無害なものです)。結果として、私は数回ミミナシオオトカゲに噛まれました(2回目の調査で)。皮膚が裂け、血が滴りましたが、体調に異常は見られませんでした。
性質は、基本的にごく大人しいと思われますが、危険を感じると通常のトカゲと同じように噛み付きます。そして噛み付いた後、ワニのように体を捻らせてきます。歯はそれなりに鋭いですが、同サイズのトカゲ類に噛まれるのと、さほど差の無いダメージでした。

  • なんと3頭も

    同所での2回目の調査では、なんと3頭も観察することが出来た

  • ミミナシオオトカゲに本当に毒があるかどうか、それは未だに謎だ

    ミミナシオオトカゲに本当に毒があるかどうか、それは未だに謎だ

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  • とりあえず帽子に入れて移動

    入れ物が無かったので、とりあえず帽子に入れて移動

  • 乾燥すると、まるで雰囲気の異なるトカゲになる

    乾燥すると、まるで雰囲気の異なるトカゲになる

ミミナシオオトカゲ、その実態に迫る-その3->>

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